昔に書いた詩 An old poem of mine
【虫歯の牙】 私の牙は 時代に合わず いわゆる役立たずで いつか役に立つ日を 待っていた だけど 虫歯になってしまった サメのように何回も 生えかわれば いいのだけれど 大事な牙が 虫歯になった 虫歯になった牙で あなたを噛めば あなたも痛いが 私も痛い いつも少し 口を開けているのは 牙が邪魔をするから 私の牙は 切なさの形をして ドラキュラみたいに 血は吸えないけれど ライオンのように 鋭くないけれど あなたを噛みたい だけど 虫歯になった牙で あなたを噛めば あなたも痛いが 私も痛い 【穴のあいたクツ下】 彼が死んだ時 彼のクツ下には穴があいていた そう、ちょうど 左足の親指あたりに 彼は生きている間 何かに反抗して生きていたいと 常日頃考えていた だけど それが一体何なのか 彼にはわからなかった 彼は熱帯魚を飼っていただけど 熱帯魚はあまり見ずに プクプク泡の出ているところばかり見ていた 彼は外に出れば 雲ばかり見ていた 雲が動くのを 見ていた 独りだった それが 彼の誇りでもあった 彼が死んだ時 彼のクツ下には穴があいていた きっと彼の魂は そこからどこかへ逃げたのだろう プクプクと [The Tooth with Decay] My tooth, out of step with the times, was what people call useless, waiting for the day it might come in handy. But it became decayed. Like a shark, it would be nice if it could just keep growing back. Yet this precious tooth of mine has become rotten. If I bite you with a decayed tooth, you will feel pain, and so will I. I always keep my mouth slightly open, because the tooth gets in the way. My tooth takes the shape of sadness. Like a vampire, it cannot draw blood, ...