すべて

 すべて、そうなるように

できていた。

良いことも、悪いことも、

どんなに些細なことも、

出会いも、別れも、

涙の意味も。

すべて。

昨日のことでもなく、

明日のことでもなく、

ただ「今」という一瞬の中に、

すべてが凝縮されている気がした。

今って凄いんだ。

過去の果て、未来の始まり。

何千年、何万年と続く命の流れの、

まさに頂点なんだ。

僕はその頂点に立ち、

息をしている。

それだけで、奇跡なんだ。

だから、焦らなくていい。

嘆かなくていい。

すべては、

なるように、

なるようになっているのだから。

“Everything”

Everything was meant

to become what it has become.

The good and the bad,

the smallest of things—

every meeting, every parting,

even the meaning behind a single tear—

all of it.

Not yesterday,

not tomorrow,

but this very moment

that seems to contain everything at once.

The present is incredible.

The end of the past,

the beginning of the future—

the very peak

of thousands upon thousands of years

of life flowing into now.

And here I stand,

breathing at that summit.

That alone is a miracle.

So there’s no need to rush.

No need to despair.

Because everything

is becoming exactly

as it was meant to be.